10. 鏡の中のタマ
タマの世界征服
 
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  10. 鏡の中のタマ
 

集会終わりの午後。いつものように、縁側にある古ぼけたお父さんの上着の上でゴロゴロしていた。ふと廊下の突き当たりに何かある。縦長い板に光が当たるとキラリと光っている。近づいてみると近づいて見るとその板の向こうに見たことのない猫が座っている。

「何だにゃ!!」

チョイチョイとつついてみるも反応がないし、逃げようともしない。こちらから向かって泣いても何も返って来ない。

「にゃにゃんだ?」

ジッと見つめるタマ。

「タエちゃんに拾われてここに来てから数ヶ月、いつも縁側に居たのに、君がいた事に気付かなかったにゃ。」

「・・・・・・。」

「桜第六東にも来てないにゃ?」

「・・・・・・。」

「今までに気付かなかったから機嫌が悪いにゃ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

さらに見つめるが、反応がない。

「何とか言ったらどうにゃ?」

何も反応しないし、目もずっと合わせたままそらすこともない。だんだんタマは腹が立って来た。向かって怒り泣き叫んだ。

「にゃぁ~~~。」

エキサイトしてきて毛が逆立つタマ。

「シャ~~~。」

鳴き声を聞いたタエちゃんがやってきて、猫がいる板に布をサラリとかけた。

「どうしたの、何に怒っているの?」

急いでたまの所へやってきた。

「あら、タマごめんね。鏡は初めてなのかな、鏡にうつったあの猫はタマなのよ!わかるかな~」

にっこり笑ったタエちゃんは、タマの頭をなでて戻っていった。

「あいつがいなくなった…帰ったのか?」

なんだかわからず縁側へ戻った。

「いつか会えるかにゃ。」

また、ゴロゴロと寝転んだ。

 


                        
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